今の時期の風邪に。~柿・大根~
柿は風邪予防に効く果物です。
柿は日本原産の植物です。ことわざにも登場するくらい昔から身近で、よく食べられてきた果物です。
柿の学名は「ディオスピロス・カキ」と言い、ディオスはギリシャ語で「神の」ピロスは「贈り物」という意味です。つまり柿は神様の贈り物である…それほど栄養価の高い果物なのです。
柿にはビタミンAとCが豊富に含まれています。ビタミンCが豊富というとみかんや緑茶を連想される方が多いと思いますが、なんと柿に含まれるビタミンCはみかんの2倍以上、緑茶の3~4倍で、柿1個で一日に必要なビタミンCの量をほぼまかなえるそうです。
実だけではなく葉やへたにも薬効があり、中国では鼻血などの止血に柿の葉茶を利用したり、漢方薬ではへたの部分を「柿帯」と呼び、貴重なものとして扱われているそうです。
また、アンチエイジングと動脈硬化の予防に効果があり、ぶどうに多く含まれていることで知られているポリフェノールも多く含まれていて、その量はなんとぶどうの5倍!柿を食べた方が効率よくポリフェノールが摂取できます。
その他にカリウムやカロチンも豊富で、柿は緑黄色野菜並みの高栄養を誇る果物なのです。
風邪に柿が有効と言われる5つの理由
免疫力の向上
風邪をひきやすい人とひきにくい人がいますが、それは免疫力の差だと言われています。
免疫力を高めるにはビタミンCが効果的です。ビタミンCをたくさん摂取すると、外から侵入した異物に対する抗体の生産量が増えるので、身体の免疫機能を高めてくれます。
ビタミンCはビタミンAやビタミンEを一緒に摂取するとさらに免疫力を高めてくれるそうです。またポリフェノールにも免疫力をつける成分が含まれているので、ビタミンAとビタミンC、ポリフェノールを豊富に含む柿はまさに風邪予防にぴったりの果物と言えるのではないでしょうか。
ウィルスの侵入を防ぐ
風邪ウイルスの侵入を真っ先に察知して、感染部位にかけつけ、ウイルスを駆除してくれるのが白血球です。白血球の働きが風邪をひくかどうか、またひいたとしてもその症状の程度を左右するといっても過言ではありません。白血球が十分に働けば風邪ウイルスが体外に排除されます。
この白血球の働きを活性化させてくれるのがビタミンCです。ビタミンC豊富な柿を食べてウイルスの侵入を防ぎましょう。
潤いを与える
柿は薬膳的に身体を潤す作用があるのだそうです。そのため、鼻やのどの粘膜の乾燥を予防したり、乾燥による咳を和らげてくれます。
また、柿に豊富に含まれるビタミンAにも鼻やのどの粘膜の働きを活発にして、強く健康的にする効果があります。ビタミンCだけでなくビタミンAも摂取することで、鼻やのどからの風邪ウイルスの侵入を防いで、風邪にかかりにくい体にすることが出来ます。
疲労回復
ビタミンCは疲労回復にも効果があります。風邪をひいた時は必要以上にエネルギーを消耗し、常に疲労感があるのではないでしょうか。疲れている身体には活性酸素が大量に発生しています。そのため活性酸素を除去してくれる抗酸化作用を持つビタミンCが疲労回復に効果的なのです。
また、ビタミンCは身体を動かすのに必要なエネルギーを作り出すカルニチンの生成に深く関わっているので、ビタミンCをたっぷり補給することで早く元気を取り戻せます。
解熱作用
柿には体を冷やす作用があります。
体を冷やす食べ物は熱を下げる効果やのどの渇きを和らげる効果があります。熱がありタンが黄緑がかっている場合、もしくは熱を帯びている状態の時に柿を食べると効果的です。
ただし、悪寒のあるような風邪の初期症状に柿などの体を冷やす作用のある食べ物を食べるのはあまり望ましくありませんので注意しましょう。
風邪のときに柿を食べる際の注意点やデメリット
体を冷やす作用があります
柿にはメリットばかりではなくデメリットもあります。
風邪をひいた時の基本は、体を温める食べ物を食べることですが、柿は体を冷やしてしまいます。というのも、柿に含まれる渋み成分であるタンニンが鉄分と結びついて貧血状態になってしまうからだそうです。
解熱や二日酔いのほてりを冷ますのには適していますが、胃腸が弱い人、貧血の人、冷え性の人には逆効果ですので、あまり食べ過ぎない方が良いでしょう。
食べ過ぎに注意
柿の渋み成分であるタンニンにはもう一つデメリットがあります。
タンニンをとりすぎると胃や腸の粘膜、血管が収縮して血流が悪くなり、腸の動きが低下し、腸内環境が悪くなります。また、タンニンは便を固くする効果があるため、下痢や軟便に悩まされている人にとっては有効ですが、便秘の原因にもなります。
特に渋柿はタンニンの量が非常に多いので、食べない方がベターです。甘柿や干し柿は食物繊維が豊富なので、適度な量であれば、お通じが良くなります。
食べ過ぎは禁物です。
完熟はビタミンCが半減
風邪の特効薬ともいえるビタミンCを豊富に含む柿ですが、完熟するとビタミンCが半分ほどに減ってしまいます。また、皮をむいて干柿にするとさらにビタミンCが減ってしまうそうです。
ビタミンCを効率よく摂取したいなら、完熟前の生の柿を新鮮なうちに食べましょう。
大根の成分

大根には体に嬉しい成分が沢山入っています。
- ビタミンA、ビタミンC
- 食物繊維
- ジアスターゼ
- アミラーゼ
- フラボノイド
どの成分がどのように風邪に効果があるのでしょうか。
大根に含まれるビタミンA
風邪と言えばビタミン補給ですが、大根にはビタミンAが多く含まれます。
ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持と保護に欠かせない成分です、またビタミンAには抗酸化作用もあります。皮膚や喉、消化器などの粘膜を正常に整える効果のあるビタミンAは風邪をひいて弱った体や呼吸器の粘膜を正常な状態に近づけてくれます。
大根に含まれるビタミンC
もちろんビタミンCも風邪の時に意識的に摂りたい栄養素の一つです。風邪の時に体内に侵入してきたウィルスと闘う白血球、この白血球の働きは血中のビタミンC濃度が高い人ほど活発であると言われています。これが風邪の時にはビタミンCを摂取した方が良いと言われている主な理由です。
体内のビタミンCは喫煙によって破壊されやすいので、喫煙者の方は日頃から非喫煙者の人よりも多くビタミンCを摂る必要があります。
大根に含まれるジアスターゼ
大根にはジアスターゼとい物質が多く含まれます、あまり聞き慣れない栄養素かもしれませんが、このジアスターゼとはでんぷんの消化酵素です。整腸作用がある他にも食物の消化を助ける効果があります。
このジアスターゼには発がん性物質の抑制と高い解毒作用があります。昔から焼き魚の付け合わせとして大根おろしが添えられているのはとても理にかなった先人達の知恵なのです。
ジアスターゼには胃酸の中和作用もあるので、風邪の時だけでなく二日酔いなどによる胃もたれの解消にも大根は効果があります。
大根に含まれるフラボノイド
フラボノイドとは植物に含まれる色素の総称です。その種類は2000種類とも4000種類とも言われており、植物の葉や茎、根、花などに多く含まれます。大豆に含まれるイソフラボンなどは有名なフラボノイドです。
大根に含まれるフラボノイドには抗酸化作用や免疫力の向上、滋養強壮、血液循環の両効果などの効果があり、当然風邪の時に意識的に摂りたい栄養素でもあります。大根に限らず様々な植物に含まれ、特に緑黄色野菜には多く含まれます。フラボノイドを普段から多く摂取する事によってコレステロールを減少させ、血液循環を良くし、免疫力を高める事で風邪の予防にも効果があります。
風邪の時のお勧め大根レシピ
風邪に様々な効能のある大根、風邪をひいてしまったらこの大根レシピですぐに治しましょう。
大根おろし
大根おろしにすると、消化酵素の役割があり、普段フル稼働している胃や腸を休める働きがあるので
食欲がない時は、みぞれのお味噌汁やみぞれ鍋・うどんなどに大根おろしを入れて食べるだけで
入れないよりも何倍も身体に良いメニューに大変身☆彡
はちみつ大根
角切りにした大根の水気を切ってはちみつに浸すだけの簡単レシピです。容器に入れて冷蔵庫へ、数時間後にはちみつがサラサラになったら完成です。
ちょっと微妙な味ですが、薬だと思って食べましょう。残ったはちみつはお湯で割って飲むと風邪に効果大です。
はちみつには強力な殺菌作用があるので喉の炎症などを抑えるのに効果大です!
定番大根スープ
風邪の時の大定番、温かいスープで大根を頂きましょう。生姜などの体を芯から温めてくれる食材と一緒に煮込むと更に風邪に良く効きます。スープにして良く煮込む事で消化吸収も良いので、風邪にはうってつけです。
大根が風邪に良く効くという事はおわかりいただけたと思いますが、大根の効能は風邪だけではありません。カロチンを多く含む大根の葉は視力低下を防止しニキビや吹き出物の防止にも効果があります。血中コレステロールを抑え血液の循環を良くし白血球の働きを活性化させる大根には、肩こりや癌細胞の抑制にも効果があります。
昔から私達日本人の食卓に馴染みの深い大根で、より健康的な毎日をおくってみてはいかがでしょうか?
秋風邪は具体的な対処方法や治療法は変わりありません。十分な睡眠や休養、食事をとるだけです。
有名な話なのですが、風邪には抗生物質や風邪薬は効果ありません。
また、風邪の時には消化の悪い食べ物や
血糖値をあげる食べ物だと、体に負担がかかってしまうのでよろしくありません。
食べ物を消化するときにも体はエネルギーを
使うので、風邪のウィルスと戦うのに体の機能を集中させてあげましょう。
風邪の時には、栄養をあるものを食べようという
意見がよくネット上で見られますが、本当に熱を出して気分が悪い場合は、水分だけ摂取していれば問題ないそうです。
この時期は、風邪を引きやすく・長引きやすいので
しっかり栄養をとって、休息して、風邪を予防しましょう!!