マーガリンは別名「プラスチック食品」。
フレッド・ローの「マーガリン大実験」という有名なエピソードがあります。
彼はアメリカの有名な自然派運動家であり、1965年~1973年まで自然食品店を経営されていました。
その時に、サンフランシスコの常連客である食品工業の技術者から「水素添加した脂肪分子はプラスチックそっくりだ!」、脂肪専門の化学者たちは水素添加を「オイルをプラスチック化すると言う!」と、聞かされたそうです。
そこで、マーガリンを放置する実験を行い、プラスチック同様に虫などを全く寄せ付けなかったことから、マーガリンは「プラスチック食品」という結論に達したのです。
日本でも上映されたアメリカのドキュメンタリー映画「スーパーサイズ・ミー」。
監督自らファストフードを1ヵ月間食べ続け、何が起こるかを実験した映画です。
このDVDの米国版に、 特典映像として2ヵ月間常温放置しても腐ることのないフライドポテトの映像が収録されています。
プラスチック化された油...。
植物油脂は不安定で老化、酸化しやすく、日持ちが悪いという欠点があります。
しかし、脂肪分子に水素原子を加えることによって、変質、劣化しにくくなるのです。
そのため外食産業や加工食品では、液体の普通の植物油脂を使えばいい調理にまで、水素添加した固形油脂を使用し、保存性を高めようとする傾向があります。
油脂にはラード(豚脂)、ヘット(牛脂)やバターなどの動物性の脂と、ナタネ油、大豆油などの植物油があります。
動物性の脂は融ける温度(融点)が高く、常温で固体になります。
これは飽和脂肪酸を多く含み、分子の結合が強く、安定しているからです。
この飽和脂肪酸を過剰に摂取すると、肝臓で悪玉コレストロール(LDL)の生成を促進し、血中コレストロール値が上がり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす動脈硬化や胆石の原因になります。
また、常温で固体になるため体内でも凝固しやすく、血液の粘度を高めていわゆるドロドロの状態にします。
そのため、一見バターより植物性のマーガリンの方が健康にいいような錯覚を起こすのです。
植物性の油と、イワシ、サバなどの青身魚の油は融点が低く、常温では液体です。
これは、動物性の脂とは逆に不飽和脂肪酸を多く含み、分子の結合が弱く、安定性が低いからです。
この不飽和脂肪酸は、血中コレステロール値を下げる作用があります。
また常温では液体なので、体内で血液をいわゆるサラサラの状態に保ちます。
多くの人が動物性油脂より植物性油脂を求めますが、パンや菓子などの加工食品には、常温で固体の油脂が欠かせません。
そこで登場したのが、マーガリンやショートニングといった植物性油脂を化学処理し、常温で固体を保てるようにした製品です。
この化学処理が“水素添加”と呼ばれる方法で、不飽和脂肪酸の水素が足りない場所に強引に水素を結びつける方法です。
こうして出来たものがトランス型脂肪酸であり、これは安定した構造を持っているので常温でも固体で、酸化しにくく、保存性が高いというわけです。
正にこの構造がプラスチックそっくりというわけです。
本来、動物性油脂にはトランス脂肪酸がわずかに含まれ、植物性油脂には含まれていないのです。
それが多く含まれているわけです。
水素添加し、人工的に作られたトランス脂肪酸は体内で代謝されにくい構造になっており、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増加させるだけでなく、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を減少させてしまう働きがあることも明らかになってきています。
これは、心臓病などの疾患を引き起こす要因にもなります。
また脂肪酸は細胞膜を構成する物質ですが、トランス脂肪酸で形成されるとその細胞膜は弱く、免疫機能が低下することも指摘されています。
多くのファストフード店や惣菜のお店で水素添加された油脂は、ショートニングの表示で利用されています。
フライヤーの中に入ってしまえば液体化するので、まさか固体の油脂が使われているなんてと驚かれるかもしれません。
これは外食産業だけでなく、加工食品にも多く使われています。
酸化しにくい、保存性がいいということで、ポテトチップスやスナック菓子、菓子パン、カレーのルー、レトルト食品、コーヒー用ミルクやアイスクリームなど、私たちの日常生活の中に本当に多くのものに使われています。
加工食品の原料になることが圧倒的に多いとなると、避けようとしても避けられなくなるのが現状です。
欧米では製造規制や表示義務化されています。
水素添加マーガリンの害が最初に指摘されたのはドイツだそうで、水素添加マーガリンの発売開始時期、地域とクローン病(腸の慢性炎症疾患)患者の出現時期と地域が一致したことがきっかけだったそうです。
現在は、トランス脂肪酸の量によって製造が規制されています。
またフィンランドやデンマーク、オランダでも似たような対策がされています。
デンマークでは加工食品に含むトランス脂肪酸の上限値を最大10%としていたのを、2003年6月から2%までに改めており、最も大きな反響を呼んでいるのはアメリカの対策で、アメリカでは2006年から食品中のトランス脂肪酸の含有量の表示が義務付けられます。
欧米では消費者側にも大きな関心があるということです。
欧米では、その加工方法やトランス脂肪酸の含有量を確認してから買うのが日常になっています。
特にアメリカでは、肥満問題で脂肪の摂り方にとても気を遣っており、マクドナルドがこの問題で訴訟が起ここし、和解金約850万ドル(約9億円)を支払ったとも言われています。
揚げ物に使う調理油をトランス脂肪酸の少ない新タイプに切り替えると発表したのですが、実施が遅れ、その事実を公表したところ、消費者への告知が不適切だったと消費者団体CSPI※(アメリカ公益科学センター)らに告訴されたのです。
日本と欧米の差...
一言で言ってしまえば食生活の違いです。
本来の日本的な食生活では、トランス脂肪酸を含む食品を摂る危険性は低いものです。
ですが、近年では日本の食生活も変わってきています。
外食や加工食品に頼る傾向が益々高くなり、アメリカのビジネスマンの食生活と比較して、内容的にどれくらい違うかは疑問です。
日本マーガリン工業界の見解では、日本人のトランス脂肪酸の平均的なエネルギー摂取比は0.7%で、これはWHOやFAO(国連食料農業機関)の合同専門協議会が提唱している摂取1%未満を下回っているので問題はないといっているのが現状です。
これはあくまでも平均の数字なので、過剰に摂取している人がいないとは言えません...。
日本ではまだまだ水面下の話題です。
ヨーロッパ、アメリカではトランス脂肪酸の摂取を出来るだけ少なくするようにという警告を発しています。
しかし日本国内の公的な文書におけるトランス脂肪酸に関する記述は非常に少ないのが現状です。
自然食品流通業者でも意外に認知されていないようですが、大手の食品メーカーでは、危険性が注目されています。
2006年からのアメリカの表示義務を踏まえ、大手食品メーカーが動き始めたというところです。
これだけ健康に問題ありとされながら一挙に禁止できないのは、油脂の酸化が怖いということです。
製造、流通、消費者それぞれの事情で直ちに排除するのは難しいのが現状です。
一方、トランス脂肪酸に有害性があることは事実です。
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